2021シーズンもついに後半戦に突入。
そろそろＪ１昇格争いやＪ２残留争いが現実味を帯びてきて、試合前に対戦相手の愛媛サポーターさんと話していても、お互いに来シーズンの話題には気を遣っていた。
ただもちろん試合ではそんなことは言っていられない。
甲府のＪ１昇格のためには、前半戦以上に勝ち点を積み重ねないといけないからだ。
愛媛は降格圏にこそいるものの、甲府が前回対戦で苦戦した相手。絶対に油断してはならない難敵だ。
元甲府の内田健太選手もこの試合でスタメン入りしており、甲府時代はあれほど頼もしかった左足が、今では甲府の脅威になっている。
それではホーム愛媛戦を、サッカー知識２割（甲府愛８割）で振り返っていこう。
前半
ちょっとフワッとした入りになっていたかなあという印象。
９分。
甲府の泉澤仁選手がペナルティーエリア内に攻め入ろうとしたところを、愛媛の茂木力也選手がカットし、愛媛の前線へロングボールを送る。
それに反応した愛媛の藤本佳希選手がカウンターを発動。甲府は決定的なピンチを迎える。
藤本選手が放ったシュートを、甲府のＧＫ河田晃兵選手が左手でブロック。ボールはポストを叩き、こぼれたボールを押し込まれるも、再び河田選手がブロックして難を逃れる。
現地で見ていて「これは入れられる……っ！」と一瞬絶望したけど、河ちゃんのファインセーブにチームも私の気持ちも救われた。
この反応の鋭さが河ちゃんの真骨頂。ここ最近は怪我もあり、ずっと岡西宏祐選手に守護神の座を明け渡していたけど、守護神・河田晃兵の復活の兆しがこの時見えた気がした。
その後は甲府がボールを保持するものの、なかなか得点に結びつかない。
３試合連続ゴールを決めている絶好調の泉澤仁選手も、この試合ではかなり封じられていた。
ただ仁くんのいる左サイドを封じられていた代わりに、右サイドの関口正大選手と鳥海芳樹選手が何度も愛媛のディフェンスラインの裏を取る動きを見せていた。
甲府の３バック右の小柳達司選手が、鳥海くんめがけてロングボールを供給する場面も何度もあった。
リベロの新井涼平選手も積極的に前線へ駆け上がり、ミドルシュートを放つ。
それが相手に当たってＣＫを獲得した。
キッカーは野津田岳人選手。
山なりのボールをＤＦメンデス選手が相手に引っ張られながらも強引に押し込む。
愛媛の内田健太選手がクリアし損ねたこともあり、待望の先制点が入る。１－０。
メンディーは喜びを爆発させ、バックスタンドに走って山梨中央銀行のピッチ看板の上に乗ってガッツポーズ！さすがにもうユニは脱がなかったけど、今度は中銀に怒られそう。
メンディーはこれで今季４点目。ＦＷ登録の選手より点取ってるよ！何ならＦＷ登録の選手のリーグ戦総得点と同じだよ！
もちろん相手からはかなり警戒されていたんだろうけど、それをも上回るメンディー。もはやエースストライカー級の活躍ぶり。今後もじゃんじゃか点を取ってほしい。
野津田くんもナイスアシスト！自身で点を取るようになっても、変わらずチームメイトの得点を全力で喜ぶ姿が微笑ましい。この時もメンディーにぎゅーっと抱きついていた。
その後も甲府がボールを保持する状態が続くも、追加点は奪えず、前半を１－０で折り返す。
後半
ハーフタイムで甲府は小柳達司選手を下げ、北谷史孝選手を投入。
小柳さんに特に悪い点は見受けられなかったので、アクシデントかもしれない。ただでさえ今動けるメンバーがギリギリのカツカツなので、大事に至らないと良いけど……。
後半も甲府が主導権を握るが、なかなか決定機を決めきれない。
逆に５２分には愛媛の内田健太選手が早いタイミングで前線にロングボールを送り、愛媛の藤本佳希選手が抜け出してトラップ。甲府はまたもピンチを迎える。
しかし藤本選手に打たれたシュートは、またも甲府のＧＫ河田晃兵選手がビックセーブ。愛媛に得点を与えない。
甲府は泉澤仁選手を筆頭に、鳥海芳樹選手、途中投入された長谷川元希選手がゴールを狙う。
特に鳥海選手、長谷川選手、右ウイングバック関口正大選手の大卒ルーキー３人の連携は目を見張るものがあった。
もうｎ回書いているけど、今年の大卒ルーキー有望過ぎません……？ここまで有望だと、今季オフどころか夏のウィンドー（今）も怖いんですけど……。
お願いだから１年間は（本当は２年、欲を言えば３年、もっと欲を言えばずっと）甲府にいてね！（圧）
前線の若手が頑張れば、一番後ろのベテランも頑張る。
８３分の愛媛のＣＫでは、愛媛の茂木力也選手がすらしたボールを河田晃兵選手がまたもセーブ。
今年で３４歳になる河ちゃん。「ただいま！」と言ってガンバ大阪から甲府に復帰してから、甲府のゴールマウスを守り続けてきた。2019年アウェイ京都戦の終了間際のＰＫストップは、甲府の歴史に残るビッグセーブだった。
でも昨シーズン、怪我で岡西宏祐選手に守護神の座を明け渡して以降、なかなか出場機会が無く結果も出ず、このまま「守護神・河田晃兵」は見られなくなってしまうのか……？という不安も若干あった。
しかしこの日は持ち味の気迫のセーブでチームを助けた。まさに「守護神・河田晃兵」の完全復活を目の当たりにした。
この姿は岡西宏祐選手にとっても発奮材料になっただろうし、今は第３のＧＫという立ち位置にいる小泉勇人選手にとっても良い刺激になっただろう。
その後は愛媛にチャンスを与えず、１－０で試合終了。６試合ぶりのクリーンシート。
まさにＧＫで勝った試合だった。
試合後
甲府の選手達が挨拶を終えた後、元甲府の内田健太選手が甲府のゴール裏に挨拶に来てくれた。
7/11 #甲府_愛媛
— ヴァンフォーレ甲府 (@vfk_official) 2021年7月11日
／
試合が終われば #フェアプレイ✨#サッカーファミリー🐶⚽️
＼#内田健太 選手は
甲府サポーターのもとへ💙❤️#野澤英之 選手@soccer0815 #有田光希 選手は#愛媛FC @ehime_fc サポーターのもとへ🍊
また熱い試合をしましょう🐶🔥#vfk #未来へ #Unite pic.twitter.com/MU05cD19V6
映像を見て、ちょっと感極まっているのかな？と思ったら、うっちーさんいわく本当に感極まっていたそう。
うっちーさんと言えばあのいかつい見た目が特徴的だけど、人間味あふれる人柄もとても魅力的な選手。
チームメイトがゴールを決めると、とにかく全力で駆け寄って全力で頭を叩いて全力で喜ぶ姿が、本当に大好きだった。
あとは2019シーズンのＪ１参入プレーオフ徳島戦。ドローで甲府の敗退が決まり、選手達がゴール裏に挨拶に来た時のこと。当時キャプテンを務めていた小出悠太選手（現・大分トリニータ）や、曽根田穣選手（現・京都サンガＦ.Ｃ.）など在籍３年目の選手が泣き、一年を通してゴールマウスを守り続けた河ちゃんがボロ泣きする中、加入初年度のうっちーさんも泣いていた。
「え、加入１年目なのに泣いてくれるのか……！」と思って、驚きと感動で現地にいた私も泣いた。
その後いち早く契約更新してくれて、2020シーズンも活躍してくれた。
シーズンオフ。契約更新を待っていたけど、年明けに愛媛への移籍が発表される。退団コメントにはうっちーさんの人柄が表れているような気がした。
ヴァンフォーレ甲府をサポートして下さっている皆様、このコロナ禍で大変な中、僕たちがプレーを出来る環境を与えて下さり、ありがとうございました。
この度、愛媛FCに移籍する事になりました。
僕が甲府に加入し初めての試合は大宮戦。ゴール裏の景色は今でも鮮明に覚えています。
あの光景と声援で心を打たれ、込み上げるものがありました。
この人達と共にＪ１へと強い覚悟で戦ってきましたが、昇格させる事ができず申し訳なく思います。
また、僕の応援歌も作って頂き感謝しています。
甲府で一番好きな応援歌『漢』
『漢の中の漢なら 何も言わずに闘え そうさ死ぬまで青赤 何も恐れず闘え』
あのチャントが歌われるとき、僕自身もやってやろうって気持ちに何回もなりました。
今後もこの歌詞にあるように、死ぬまで青赤にいた誇りを持ち、これからのサッカー人生も頑張っていきたいと思います！
最後に、2年間共に戦った仲間、彰さんをはじめとするトップチームスタッフの皆様、フロントスタッフの皆様、甲府で僕に関わってくれた全ての皆様に感謝しています。
本当にありがとうございました。
そして今日、うっちーさんが甲府への思いの丈をInstagramで綴ってくれた。
ぜひ全文を読んでほしい。
熱くあたたかい人柄で、多くの甲府サポから愛されたうっちーさん。
これからも甲府時代のチャントのように「左足でぶちかませ」！
まとめ
これで甲府は３連勝。
そして立ちはだかる「４連勝の壁」。
昨シーズンも今シーズンも、甲府は３連勝までしかしていない。一昨年も最終戦でようやく４連勝、という感じだった。
次の相手はまたも難敵、栃木ＳＣ。
栃木との相性は良いとは言えないし、サガン鳥栖から豊田陽平選手が加入しているので、次節も苦戦が予想される。
しかし昇格のためには過去のデータをぶっ壊していくことが必要不可欠。
今度こそ４連勝の壁をぶち砕いてくれるだろう。
中断前の最後の一戦。
甲府の底力に期待しよう。
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