画像提供:ひろりんさん(@hirorina2)
磐田戦でメンデス選手が一発退場となり、キャプテンの新井涼平選手も累積警告で出場停止。
ディフェンスの要である二人を欠く中、起用されたのは最年長の甲府のレジェンド・山本英臣選手と、今シーズン岐阜から加入した「ちゃたん」こと北谷史孝選手。
高さはないけど、経験と技術と安心と信頼のオミさん、J3岐阜を契約満了になり甲府に来て自分の真価を見せつけたい北谷くんに期待。
それでは雨の中の試合となったホーム山口戦を、サッカー知識2割(甲府愛8割)で振り返っていこう。
前半
試合開始早々「あとはゴールに流し込むだけ」みたいな大ピンチを迎えるが、山口の選手がふかしてくれて難を逃れる。
センターバックの中央、リベロに入ったオミさんがボールを持つと、甲府の右ウイングバックの関口正大選手や、左シャドーの泉澤仁選手が前線へ駆け上がってボールを呼び込む。
オミさんもさすがの技術でロングフィードを供給。スペースに走り込んだ仁くんや関口くんがボールに追いつき、チャンスを演出する場面もあった。
仁くんの毎試合の積極性は見ていてわくわくするし、関口くんの勇猛果敢さもどんどん増してきている。いいぞいいぞ。
北谷くんはそつなくプレーしている印象。
ものすごく目立ったプレーはなかったけど、加入時にどこからか聞こえてきた「大きなミス」もなかった。
「契約満了後に個人昇格」という異色の移籍をした北谷くん。甲府のフロントの目には北谷くんの隠れた才能が見えていると思うので、甲府でその才能を思いっきり開花させてほしい。
ただ山口にボールを保持される時間が長く、甲府がボールを持ったとしても甲府の最終ラインがずるずると下がっていく場面もあった。
山口の選手にシュートを打たれることも多く、それでも甲府が体を張ってゴールを守る。
順位は離れている両チームだけど、実力差は感じなかった。
「楽に勝てる試合なんて1試合もない」とは常々言われていることで、本当にそうなんだと身に染みて思った。
前半終了近くになると、オミさんが足を気にしている場面が見受けられ、観客席にも不穏な空気が流れる。
「最年長」という言葉を前面に出すのは失礼なくらい、甲府の主力としてバリバリやっているオミさんだけど、怪我だけは本当に心配だ。
お互い決定機を決められず、前半をスコアレスで折り返す。
後半
ハーフタイムでの交代はなく、そのまま後半開始。
51分に山口が得たコーナーキックで失点。
甲府はセットプレーでの失点割合がJ2で一番高い。崩されて失点、ということが少ないこともあるんだろうけど、相手のコーナーキックは正直かなりヒヤヒヤする。
セットプレーでの得点割合も高い甲府なので、セットプレーはまさに勝負の分かれ目。
もちろんこのまま改善しない伊藤彰監督ではないと思うので、今後の修正に期待だ。
失点後、甲府がギアを上げる。
失点前からギアを上げてほしい気もするけど、そこは記者会見でも言われていたし、彰さんも承知しているので、深くは追求しないことにする。
失点から4分後、甲府の左ウイングバックの荒木翔選手のクロスに、関口くんとボランチの中村亮太朗選手の新潟明訓高コンビが詰めて同点ゴール。
小瀬の大型ビジョンには亮太朗くんのゴールと表示されたけど、実際は山口のヘナン選手に当たったオウンゴールとのこと。
でもそこに詰めていたからこそオウンゴールを誘発できた訳で、二人の積極的な姿勢と荒木くんの神クロスはあっぱれ。
甲府の山田陸選手と山口の高井和馬選手が熱くなって、一触即発の場面もあった。
山ちゃんと同じボランチの亮太朗くんや、同い年の長谷川元希選手がなだめ、手は出なかった。
亮太朗くんや元希くんは大人。山ちゃんは解説の小椋祥平さんが言う通りプレーで熱くなってほしい。ただガッツのある山ちゃんは好きだ。
熱くなるということは、高井和馬選手含めそれほど選手達は必死でやっているということ。雨脚が時間を追うごとに強まっていく中、雨に打たれながらも両チームの選手達は懸命にプレーしていた。
81分。山口の豪快なミドルシュートのこぼれ球を押し込まれ、勝ち越される。
甲府のGK岡西宏祐選手も弾いたんだけど……。3試合連続の「触ったけど失点」に、おかに本人も相当悔しいはず。
あの場面はフリーでミドルシュートを打たせてしまったことの方が問題な気もする。しかもこの試合に限らず、おかにのビッグセーブで救われたことも数知れない。
「失点でとりあえずGKを責める奴はにわか」って誰かが言っていたけど、本当にそうだと思う。
オミさんはここで交代し、ピッチを出る。
後から聞いた話では大怪我だったそうで、それでもこの一試合のためにハーフタイム中にテーピングをして後半も出場していたらしい。
しばらくの戦線離脱は避けられないそう……。
失点から4分後(本日2回目)、交代で入った鳥海芳樹選手がドリブルで持ち上がると、同じく全力疾走して駆け上がってきた仁くんにパス。
パスを受けた仁くんが左足で冷静にゴールに突き刺し、再び同点とする。
仁くんって確か利き足は右だったような……って、そんなことがどうでもよくなるくらい両足が使える、頼れるチーム得点王。
鳥海くんは途中出場で流れを変えられる選手。もちろん先発で出たい気持ちもあるんだろうけど、腐ることなく出番を待ち、出番が来たら全力でプレーし結果を残す。これも鳥海くんの才能だ。
ちなみにこのゴールは、甲府J2通算800得点目となるメモリアルゴールだった。
その後も甲府は相手ゴールに攻め入るも、ゴールならず。
試合終了間際、無人のゴールにウィリアン・リラ選手が放ったシュートは枠外。
リラ……頼む……決めてくれ……(切望)
お互い勝ち越し点は入らず、2-2で試合終了。
試合後
メインスタンドにいたどっかのアホ一名のブーイングが響く中、選手達はうなだれていた。
公式戦5試合勝ち無し。選手だって辛いだろう。
悔しい気持ちは選手もサポーターもみんな同じ。
「俺は悔しいんだ!」って自分だけ特別悔しいみたいな顔をして、しかもコロナ禍でマスク無しのブーイングなんて愚の骨頂。
こういう時にサポーターは何ができるか。答えは一つ、手拍子で応援することだけだ。
まとめ
なかなか結果が出ないけど、選手も監督もコーチ陣もこの状況を何とも思っていない訳がない。
むしろ何としてでも勝つために、死にものぐるいで頑張っている。
そして忘れてはならないのは「対戦相手も勝ちに来ている」ということ。
相手も勝利のために戦っているのだから、どんなに策を練っても上手くいかないことがある。何でも甲府の思い通りに行けば苦労はしない。
次もホームゲーム、相手はザスパクサツ群馬。
群馬には甲府でプロキャリアをスタートさせ、3年半在籍した畑尾大翔選手がいる。
同い年で仲の良かった新井くんやおかにと、ピッチ上で再会することだろう。
畑尾くんが立ち塞がる群馬の牙城を絶対に崩さなくてはならない。
そして何より、大怪我を負ってもピッチに立ち続けたオミさんの思いを無駄にしてはいけない。
ディフェンス陣だけでなくチーム全体、サポーターも一体となって勝ちたい。
そして身を粉にしてまで戦ったオミさんを、もう一度J1のピッチに立たせたい。
今こそ甲府に関わるすべての人の思いを結集する時だ。
↓ランキングに参加しています。よろしければ1日1ポチッと。