サッカー界にも浸透した推し活の波。
ユニフォームの注文時期もあるので、推しは開幕前に決める必要がある。
そこで発生するのが
「何でそんなことわかるの?」って、他でもない私が当事者だったから。
私の今の推しを推そうと決めたのは、ルーキーイヤーの新体制発表会見の日。
大学時代のプレーはほとんど見ていないし、何となく直感で「推そう!」と決めた。
ユニフォームに背番号を入れて、いざ開幕戦へ!
……と思ったらメンバー外。
来る日も来る日もメンバー外。
結局ルーキーイヤーはリーグ戦の出場はゼロ。
プロ3年間で公式戦出場は13試合に留まった。
それでも今、推しはプロ6年目を迎え、左サイドの座を他の選手とバッチバチに争うまでになった。
今の活躍は見ていてとても嬉しい。
でも正直、最初の3年間は辛いことの方が多かった。
そんな私から、ルーキーを推すと決めたあなたに伝えたいことがある。
気持ちは揺れて当然
ルーキーのユニフォームを着てスタジアムに行くものの、推しはずーっとメンバー外……。
出場機会の多い選手がピッチ上で輝く姿に目移りしたり、ファンが選手からのファンサに喜ぶ姿を見て複雑な気持ちを抱いたりすることもあるだろう。
私も推しのルーキーイヤーは「何で私、彼を推そうと決めたんだろう」と数え切れないほど思った。
出場機会が少ない以上、気持ちは揺れて当然。
学生時代から推していたのならともかく、新体制発表会見やキャンプなどの短い期間で「ルーキーを推そう!」と決めたあなたは、はっきり言ってしまえば推しのことをまだ何も知らないのだ。
推しへの愛は最初からMAXではない。
出場機会の多い人気選手ならば、推しへの愛はかなりのスピードでMAXに達するかもしれない。
ただ出場機会の少ないルーキー推しの場合、推しへの愛はじっくり時間をかけて高めていくものだと思う。
推しだからといって、最初からすべてを愛そうとしなくていいのだ。
その間、気持ちが揺れ動くことも、時に気持ちが離れてしまうこともある。
ルーキーの推しが出場していない時は、出場している選手を応援するのもいいだろう。
「そんなのミーハーの浮気者じゃん!」と思う人もいるかもしれない。
でもせっかくスタジアムにいるんだったら、今ピッチ上で戦っている選手達にエールを送りたい、というのも一つの考え方だと思う。
もちろんベンチ外で試合を見ているルーキーの推しにエールも送りつつ。
そこでルーキーの推しから完全に気持ちが離れてしまったら、それはそれで良し。
やっぱりルーキーの推しを応援したいと思うなら、それもまた良し。
もちろん出場のない試合でも推しのタオルマフラーを一途に掲げるも良し。
楽しい気持ちでスタジアムに行くことが一番大切だ。
ランダムグッズは大切に取っておく
「出場機会の少ない推しのランダムグッズ、手元にめっちゃある……」
これは出場機会の少ないルーキーを推す上で「あるある」だと思う。
活躍しているルーキーならともかく、出場機会の少ないルーキーのランダム(ガチャ)グッズは(あまりこの言葉は使いたくないが)レートが低くなりがち。
私の推しのルーキーイヤーはランダムグッズがあまり浸透していなかったのだが、出場機会がゼロに近かったプロ3年目の時は「◯◯選手推しですよね?これ買い取ってもらえますか?」と何度も買い取りをもちかけられた。
おかげさまで同じグッズが手元に7個も……。
「推し、人気ないんだな」ということを実感してしまい、ビニール袋から出しもせずぞんざいに扱っていた時期もあった。
しかし今となっては、各シーズンの推しのグッズはめちゃくちゃ貴重。
私はカラーボックスの上に歴代のランダムグッズの一部を並べているが、積み重ねてきた推し自身の歴史、そして推し活の重みを感じられてとても誇らしい気持ちになる。
おそらくこれは何年も同じ選手を推した人にしかわからない感覚かもしれない。
推しがこの先、日本代表になるようなことがあったとしても、過去のグッズの価値が上がって高値で売れるわけではない。
しかし今現在の推しのグッズは未来の財産になる。
完全に自己満足の域だが、ランダムグッズをこうして大切に取っておくことで、あなたの推し活の歴史に厚みと重みと深みが出る。
今、価値を感じなくてもそのグッズは大切にしよう。
シーズンを積み重ねた先に、きっとその価値がわかるから。
ルーキーイヤーから推していることは誇りになる
ファンに古参も新参もない。
……とは言うものの、ルーキーイヤーから推していることはいつか自分の誇りになることだ。
なぜなら、あなたは推しがルーキーの時点でその輝きに目をつけたのだから。
出場機会が少なくても推しを信じて応援しているのだから。
それは胸を張っていいことだ。
もちろんこの先、推し歴が長くなったからといって他のファンをバカにすることは良くない。
ただ「私はルーキーイヤーからこの選手を推している!」という気持ちは持っていいと思う。
それがマウントやネガティブな言動に出るとトラブルになってしまうが、自分の中でそう思うことくらいは許されてほしい。
「出場機会が少ない時期を経て、推しは大きく成長したなあ。私は推しが苦しい時期も、推しを信じてずっと応援してきたから何があっても大丈夫」
ルーキーイヤーから推している誇りは、いつかそんなどっしりとした揺るがぬ信念になる。
最後に
出場機会のない今はすごく辛いかもしれない。
しかしその分、推しが出場した時や活躍した時の喜びは格別だ。
その日のために、推しを信じて応援し続けよう。