ヴァンフォーレが好きだと叫びたい

ヴァンフォーレ甲府サポーターがサッカー知識2割、愛8割で語るブログ。

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ホーム京都戦のサッカー知識2割レビュー

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 リーグ戦再開後、4戦勝ち無し。4得点、8失点。

 そして迎えた首位・京都サンガFCとの一戦。

 私は正直「これ……勝てるの?」という思いで小瀬へ向かった。

 

 メンバー表には、チームトップスコアラー・泉澤仁選手の名前がなく(翌日、全治6ヶ月の重傷を負っていたことが発表される)、代わりに高卒3年目の宮崎純真選手が今季初のスタメン入り。

 純真は前々節のホーム千葉戦でゴールへの積極的な姿勢を見せていたので、期待はしているけど果たして仁くんの穴を埋める活躍はできるのか……?

 

 でも今なら言える。

 ごめん純真!!!

 

前半

 豪雨の小瀬。キックオフ直前に雨脚がさらに強まり、席で「やべーよ、これ!」と叫ぶも、その声すらかき消されるほどの雨だった。

 

 京都は、2年前まで頼もしい味方だったピーター・ウタカ選手、去年甲府で分身の術を披露していた(ほどの運動量を誇る)武田将平選手がスタメン。

 もうキックオフ前から京都の選手一人ひとりに勝利への自信がみなぎっている感じがした。

 

 そしていよいよ試合開始。

 さすがキジェサッカー。甲府のボールホルダーへの寄せが早いこと早いこと。

 しかし甲府の選手も負けじと前線からボールを奪いに行く。特にボランチ野津田岳人選手がボールを刈り取り、山田陸選手がセカンドボールを回収する。

 ワクチン接種の副反応の影響もあり、全体的に足取りが遅く重かった前節・アウェイ町田戦から見違えるほど出足が早く、さらには一つひとつのプレーに気迫が感じられた。

 ピンチもゴール前で体を張ってシュートブロック。少しでも時間を与えれば、ピーター・ウタカ選手が強引にシュートを打ってくるので、そこの対策も万全だった。

 あと武田将平選手からもイケメンミドルシュートが飛んできそうだったが、そんな場面は作らせなかった。

 「これ……もしかしたらイケるんじゃない?」と、ちょっと思った。

 

 32分。ついに試合が動く。

 京都陣内で甲府の選手がパスを回し、山田陸選手が斜めのくさびのパスを入れる。

 宮崎純真選手がワンタッチでウィリアン・リラ選手に出すと、リラ選手がGKの股を抜くシュートを決める!

 リラは今シーズン4点目。リーグ戦中断前は1得点と苦しんでいたけど、いよいよエースストライカーらしさが出てきた!

 そしてその前の純真の絶妙なワンタッチパス、さらにその前の山ちゃんの針に糸を通すようなくさびのパスも素晴らしい!

 

 ゴール後は選手がみんなしてリラのもとへ駆け寄る。

 「リラにゴールを取らせてあげたい」という言葉は、よく選手の口から聞いていたけど、この歓喜の輪は信頼の証。これでますますノリノリラになってほしい。

 そしてもう得点後の恒例になりつつあるけど、野津田岳人選手はリラをぎゅーっと抱きしめていた。

 

 ゴールの歓喜も冷めやらぬ34分。

 宮崎純真選手が相手GKと1対1の大チャンス。しかしループシュートはゴール左に逸れた。

 これには純真本人も頭を抱え、かなり悔しそうな様子を見せる。しかしこれが純真の心に火を付けた。

 

 前半を1-0で終える。

 

後半

 ハーフタイムに京都が動く。

 福島ユナイテッドFCから今季夏に加入したイスマイラ選手を投入してきたのだ。

 私は去年から福島の試合を結構見ていたので「イスマイラさん、甲府で夢を叶えないか?」と思っていたけど、京都に加入が決まって「あ、そうですよね」と現実に引き戻されていた。

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世の中、金だよな……。

 

 後半開始から京都がボールを保持し、甲府ゴールに圧をかける。

 しかし危ない場面はあまりなく、逆に甲府の追加点の予感も感じさせた。

 

 58分。甲府ペナルティエリア手前でFKを獲得。

 キッカーは野津田岳人選手。ボールは京都の壁を超える美しい弾道を描くも、京都のGK若原智哉選手のナイスセーブに阻まれる。

 枠には行っていただけに、ううむ悔しい。

 

 逆に67分には京都のCK。

 CKでの失点が多い甲府。しかしこの日は集中した守りで京都にゴールを割らせない。

 とはいえ、この場面では京都のヨルディ・バイス選手にフリーでシュートを打たせてしまった。シュートはクロスバーを超えたので助かった……。

 

 その後に京都のオフサイドもあり、甲府のFK。

 京都のDF飯田貴敬選手が跳ね返したボールは、そのまま宮崎純真選手の足元へ。

 純真は迷わず豪快に右足を振り抜くと、ゴールポストに当たったボールはゴールへ吸い込まれる!これで2-0。

 純真はこれで今シーズン初ゴール!しかもスーパーなミドルシュート

 今シーズン、怪我もありFW陣で唯一公式戦ゴールがなかった純真。しかしそんな不名誉なことも全部吹っ飛ばすくらいの素晴らしいゴールだった。

 

 チームメイトもさぞ嬉しかっただろう。

 ゴール後には他の選手が純真の上に折り重なり、純真は手荒い祝福を受ける。

 野津田岳人選手は純真に覆いかぶさった後に恒例のハグ。もはや愛を感じるよこれ。

 その後の飲水タイムでは、メンデス選手が喜びのあまり水を飲んでいる最中の純真を揺さぶり、野澤英之選手から制止されていた。

 

 79分。

 河田晃兵選手からのクリアボールを途中出場の三平和司選手が落とすと、宮崎純真選手がスペースに出す。

 スペースに走り込んだ途中出場の中村亮太朗選手が、左足でゴール前へグラウンダーのクロスを入れ、そこに走ってきた三平和司選手がダメ押し弾を叩き込む!3-0。

 この日、J通算300試合出場達成のセレモニーを行ったさんぺーさん。やはり持っている男は違う!

 さんぺーさんもアシストした亮太朗くんも、戦線復帰後なかなか結果が残せなかったけど、この日は途中出場できっちりやり遂げてみせた。

 そしてホームヴェルディ戦に続き、このゴールでもさんぺーさんはチームメイトから生え際をいじられていた。頑張れ、さんぺーさんの生え際。

 

 3点差をつけられて反撃に転じたい京都だったけど、チャンスは甲府の方が多く作っていた印象。

 90分間出たピーター・ウタカ選手も、途中出場のイスマイラ選手も、あまり見せ場を作ることはできなかった感じ。

 ルーキーから3年間を甲府で過ごした曽根田穣選手も途中出場したが、ゴールとはならなかった。

 

 試合はそのまま推移し、3-0で甲府が勝利!

 ゴミ袋に穴が空いていたせいで私のカバンが水没するほどの豪雨の中、首位相手に見事なパーフェクトゲームを成し遂げた。

 

試合後

 ヒーローインタビューは全得点に絡んだ純真。

 ルーキーイヤーから見違えるほど大人に成長した純真の姿を改めて見て、そして「甲府はまだまだ死んでない」という頼もしい言葉を聞いて、目頭が熱くなった。

 

 3年前、山梨学院高校から加入内定した頃から「負けん気が強そうだな」とは思っていた。

 ルーキーイヤーの6月ホーム山形戦でプロ初ゴールを決めて、波に乗るかなと思っていたけど、その後なかなか試合に絡めないでいた。

 昨シーズンのアウェイ長崎戦では、途中出場の後に途中交代させられて、試合後に号泣していたことも知っている。

 その後は怪我もあり、このまま埋もれてしまうのかと個人的に思った時期もあった。

 

 でもこの日、純真はやってくれた。

 仁くんが抜けた穴を感じさせない、いやむしろ「純真だからこそできる!」と言いたくなる活躍だった。

 これから純真へのマークは厳しくなるだろうし、自由にさせてもらえない時間も増えるだろう。

 でも試合に出場できない苦しさを味わった純真なら、出場してこそ感じるそんな壁くらい喜んでスイスイ乗り越える気がする。

 持ち前の負けん気の強さ、そして悔しさをバネにする強さ。

 純真が持っているポテンシャルは計り知れないほど大きい。それをこれからいかんなく発揮してくれるかと思うと、楽しみで仕方がない。

 

最後に

 仁くんが負傷離脱したことで「甲府オワタ\(^o^)/」とか思っている他サポも多いことだろう。

 しかし、純真の言う通り甲府はまだまだ死んでいない。

 京都を下したことで甲府に感謝している昇格争い組の皆さん、甲府に感謝したことをいずれ後悔させてやる……!(誰)

 

 次の対戦相手は、前回対戦で6-2と大勝したザスパクサツ群馬

 しかし甲府より下位だからと油断してはいけない。群馬は今節秋田に負けたとはいえ、リーグ戦再開後は好調だ。

 勝って兜の緒を締めよ。緩むとアウェイ相模原戦の二の舞になりかねない。

 そこは選手達が一番わかっていると思うので、選手達を信じよう。

 

 正田醤油スタジアムには行けないけれど、それぞれの場所から応援して絶対勝利を掴み取ろう!