甲府がJ2に降格して4年目に入った。
もちろんその前にもJ2にいたことはあるけど、私にとっては2017年最終節での降格が初めての降格だった。
そして改めて思い知ったのが「J1とJ2の扱いの違い」。
頭ではわかっていたけど、やっぱり現実に直面すると辛い。
そして最近J3の試合も見るようになって、さらに扱いが劣ることを知った。
今回はそんな「格差問題」について考えていく。
J2に降格して感じた格差
J2に降格して初年度に痛感した格差。
これはやっぱり「メディアの扱いの違い」だ。
まず全国放送のサッカー番組に試合のダイジェストが取り上げられない。
甲府は毎年残留争いの常連クラブだったから、大々的に取り上げられることはJ1にいた頃もほぼなかったけど、J2に降格してからはそもそも試合のダイジェストが放送されない。
やべっちFC(当時)はJ2の試合を2試合ほど放送してくれていた。でもFC琉球に5-2で逆転大勝利して琉球のホーム無敗記録を止めた試合の後、眠い目をこすりながらやべっちFCを見ていたら、他会場のドローゲームを放送していて「Oh……」となったことがある。
やべっちFCといえば、J2に降格するとデジっちもない。
アルビレックス新潟のように千葉和彦選手がいるというスペシャルな例外もありJ2でもあるところはあるけど、デジっちのないJ2クラブの方が圧倒的に多い。自前で「〇〇っち」をやるしかない。
甲府は地元局がデジっち風キャンプ映像を公開してくれたこともあったけど、字幕の入れ方とか編集の面白さはやっぱりデジっちの方が上(それでもYouTubeに力を入れ始めた今シーズンの甲府の映像はかなり面白くなった)。
あとデジっちのもう一つの魅力は、選手の面白さを他サポにも伝えられるところ。
YouTubeだといちいちそのクラブの動画をクリックしなきゃならないけど、デジっちはやべっちFCを流し見していれば、他クラブのデジっちも見られる。そうすれば自然と他クラブにも興味を持つ。
甲府には面白アイコンの三平和司選手が来てくれたからこそ、動画の再生数を稼げている面はある。でももしさんぺーさんがいなかったら、甲府の選手の面白さは他サポに伝わるのだろうか……と不安に思ったりもする。
そういう面では、やっぱりデジっちがあるのとないのとでは違う。
ちょっと話が逸れたので、元に戻す。
J1とJ2以下では、Jリーグ公式の扱いも違う。
TwitterでJリーグのツイートを見ると、画像はだいたいJ1の選手だ。リーグ戦開幕前の告知ツイートもほぼJ1ばかり。
「#J楽」というタグで色々な企画もあるけど、取り上げられるのはやっぱりJ1クラブが多い。
上のカテゴリーを優先するあまり、たまに地雷を踏むこともある。
/#Jリーグあいさつ #水曜日❗️
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) 2021年4月13日
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4月14日は、 #オレンジデー🧡
明治安田生命 #Jリーグ で戦うオレンジ系の色をクラブカラーとする クラブ特集💥
J1
1枚目 #清水エスパルス
J2
2枚目 #アルビレックス新潟
3枚目 #レノファ山口FC
4枚目 #愛媛FC
みなさんのお気に入りはどのクラブですか⁉️ pic.twitter.com/JaY4p8f7JU
これはJ2クラブも一部入っているけどね。後付けで大宮アルディージャとAC長野パルセイロも追加したけど、こういうことをするなら最初から全部一つのツイートにまとめてくれ!(ちなみに前年はアルビレックス新潟がハブられた)
ちなみにサッカーを知らない人の意識も、J1とJ2で差が出てくる。
以前サッカー観戦に誘った友達にこんなことを言われた。
「J2にイケメンいないじゃん!」
え、J2の選手を何人知っているの?と思って、J2のイケメン選手を何人かその友達に見せたけど、その友達にとってはイケメンに思えないらしい。
おそらく「イケメン=J1や海外で活躍する人気選手」なのだろう。
いずれにせよ「JリーグはJ1だけじゃない!」と思うことは多い。
甲府がJ1にいた時は大してそういうことは考えず、むしろ「下のカテゴリーにいるんだから、扱いが違うのは当たり前じゃん?」って思っていたけど、それが降格してからカウンターのようにグサッと来た感じだ。
平等にするべきなのか
私は降格して2年間くらいは、J1もJ2もJ3も扱いを平等にするべきだと思っていた。
「選手もサポーターも、頑張っているのはJ1だけじゃない!それにJ2だってJ3だって魅力は沢山ある!」とJリーグ公式に言いたかった。
ただ正直に言うと、J2にいるコンプレックスも大きい。「J1ばっかり取り上げられて羨ましい!甲府だって早く昇格して取り上げられたい!でも昇格できない……」という劣等感やジレンマに苛まれていたのだ。
しかし最近は「甲府のことを沢山取り上げてほしい!だから昇格したい!」と思うようになった。
伊藤彰監督体制になって、今のところずっと昇格争いができていることもあるかもしれない。J1昇格が見通せない位置にいたら、さらに鬱屈した思いを持っていたかもしれない。
でも「格差があるからこそ昇格を目指すモチベーションになる」ということに気付けたことが大きかった。
例えばJ1からJ3まで全試合をテレビで流し、デジっちもJ3まで放送する。TwitterなどSNSではJ2以下のカテゴリーも平等に扱い、J3の中継には解説者も付ける。詳細なスタッツもVARも全カテゴリーで導入する。
かなり極端な話だが、全部のカテゴリーを同じ仕様にしたら「昇格しなくても平等に扱ってくれるからいいや」という気持ちが芽生えてしまう。
扱いの差があるからこそ「昇格したい!」「降格したくない!」という闘争心や焦りが出てくる。これがJリーグをより面白くしているのだ。
差をつけるその他の理由
極端な例を出したが、現実的な話をすればそこまでお金をかけきれないという面もある。
VARだって判定するための審判は別に必要だし、カメラだって相当な数を増やさなければならない。
J1のスタメン紹介で使われる選手それぞれのポーズを撮るのだって、タダでできる訳ではない。
J1の選手のみの広告を作るところを、J2やJ3も作っていたら、デザイン料は当然膨れ上がる。
カテゴリーが落ちるごとにかけるお金を減らす。
Jリーグだってお金が無限にある訳ではないので、それは当然のことだ。
まとめ
カテゴリーごとに格差があるからこそ、Jリーグは面白くなる。
もちろんJリーグ公式は地雷を踏むようなことはやめてほしいけど、それ以外の格差はサポーターが無意識のうちに勝利へのモチベーションにしているはずだ。
来年は自分の応援するクラブが沢山メディアに取り上げてもらえるように、今のうちから応援を頑張ろう。
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