「わかる人がいれば良いな」シリーズ、第1弾。
JリーグのDAZN中継を見ていると、どの試合でも共通している慣例化された「いつものシーン」が数多くある。
その「いつものシーン」が私は好きだ。
具体的に言うと、
・Jリーグ共通のオープニング
・試合名を読み上げるシーン
・スタメン紹介
・試合終了後しばらく経って静かになったスタジアム
この4つだ。「は?」と思った人もいると思うので、順番に魅力を説明していく。
Jリーグ共通のオープニング
J1でもJ2でもJ3でも共通しているのが、中継前に放映されるオープニング映像(中継終了後にも同じ映像が流れる)。
昨年はJ1の有名プレイヤーのプレー動画と、その前年に優勝した横浜F・マリノスの歓喜のシーンが収められていた。
今年は三笘薫選手のドリブルや、キングカズこと三浦知良選手の笑顔、清武弘嗣選手のシュートといった、昨年とはまた趣向の違う映像が流れ、最後は歴代J1優勝チームがシャーレを持ち上げるシーンの詰め合わせで締める。
毎試合このオープニングを見ると「いよいよ中継が始まるぞ……!」と緊張してくる。
今年は緊張感のあるイントロから始まるので、より気持ちが引き締まる。
アニメのオープニングが物語の始まりを告げるように、このオープニング映像も数々のドラマが繰り広げられることを示唆しているように感じるのだ。
ちなみに私はアニオタだった頃、カッコ良いオープニング映像ばかり繰り返し見るような偏ったオタクだった。
試合名を読み上げるシーン
オープニング映像が終わり「2021明治安田生命J◯リーグ第△節」から始まり、対戦するクラブ同士の名前を実況者が読み上げる。この何でもないシーンも好きだ。
背景にはスタジアム全体が映り、スタジアムの広さや現地の空気感も伝わってくるため、アウェイゲームのこのシーンは特に好き。
試合名の前に、互いのチーム状況を短い言葉で説明する実況者もいる。
特に好きなのは2019シーズンのアウェイ京都戦。
「J1昇格への光を求めて……」という台詞には、前節敗戦してプレーオフ圏外になった京都と、3試合勝ちなしで9位に転落した甲府という、昇格を狙う両チームの状況が端的に表されている。
映像も相まって雰囲気たっぷり。
ちなみに2020シーズン終盤以降、このシーンはJ2以下のダイジェスト映像だとカットされている。
地味に惜しい……。
スタメン紹介
スタメンの選手の顔写真が予想フォーメーションとともに表示されるシーンも好き。
今シーズンのJ1だと、スタメンが思い思いのポーズを取った画像が出てくることでちょっとした話題にもなった。
ちなみにJ3だと顔写真すら出ず、ユニフォームのイラストに背番号が表示されるのみ。顔写真は全クラブ撮っているんだから、何もそこで差別化しなくても良いのに……。
フォーメーションとともに顔写真が出ると「選ばれし11人!」って感じがする。
Jリーグに提出する顔写真には笑顔と真顔の2種類があるけど(現・松本山雅FCのキャプテンS選手は変顔も撮影していた)、この時使われるのは真顔の写真。そのためJ1のそれぞれのポーズ写真が映された後だと、より戦闘モードな雰囲気が漂う。
甲府の選手のポーズ写真も見たい!
そのためにはJ1に昇格するしかないのだ……。
試合終了後しばらく経って静かになったスタジアム
試合が終わり、実況と解説がスタッツやダイジェストで試合を振り返っていると、スタジアムにいるサポーターの数はかなり減っている。横断幕を片付ける人、通路で話をしている人などがちらほら映る程度になる。
先ほどまでの熱気が冷め、静かになったスタジアム。これを見るのも好きだ。
特に通路などで名残惜しそうに話している人を見ると、私は仲間の大切さをしみじみ思う。
私にも経験があるけど、今日の試合で感じたことを仲間と共有する時間はとても大切だ。そしてそれが負けた試合の後なら、なおさら大切になる。
愚痴を言ってため息をついて、なぐさめ合って「じゃあまた来週ね!」と言って笑顔で別れる。それだけでもいくらかスッキリする。悶々としたままスタジアムを出るより、ずっと気持ちが晴れる。
中継に映った人もそうなのかな、なんて勝手に思うと、ちょっぴり切ない気持ちにもなるのだ。
その時間になると、ピッチ看板やゴールなどの片付けも静かに始まり、スタジアムが少しずつ日常に戻っていく。先ほどまでの熱気がだんだん冷えていく。
そのなんとも言えない独特の雰囲気。ぜひ中継が終わるまで味わってほしい。
最後に
これらのシーンはどの試合でも見られる。
「いつものシーン」で片付けてしまいがちだが、意識して見てみるとサッカーの新たな見方ができるかもしれない。
中継を見る時に、この記事のことを少しでも思い出してもらえれば嬉しい。
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